【第4回】Q-subに頼りすぎない -薬事業務は準備が9割-

米国FDA対応のポイントを全5回でお届けします。
ぜひ皆様の疑問やご質問、ご意見をお寄せください。

【第1回】FDA対応 企業が最初に誤解するポイント
【第2回】FDA審査の本質は“説得力”
【第3回】FDAコンサルを選ぶポイント 
【第4回】Q-subに頼りすぎない
【第5回】FDA対応の失敗から学ぶ

米国FDA対応の準備を進める初期の段階でQ-submissionを検討されるケースは多くあります。

Q-SubはFDAから公式な見解を得られる有効な手段の一つです。特に申請方針や試験計画、比較対象の考え方などについて、事前にFDAの意見を確認出来る点は大きなメリットです。

ただ、十分な準備がないまま進めてしまうと、質問する側の意図と、質問されるFDA側の受け取り方にズレが生じることがあります。

実務の現場では、「とりあえずQ-subを出してみましょう」という進め方は多いと感じます。
Q-subは業務として見積もりやすく、準備、提出、会議対応、議事録確認といった形で作業範囲を設定しやすいためです。

ただ、Q-Subを準備不足又は要点が整理されていない状態で進め、FDAとの"Informal"な対話も不十分なまま進んでしまうと、結果として、わざわざQ-sub申請しなくともある程度想定出来た回答にとどまってしまうことがあります。
このような不完全燃焼の経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

弊社の経験では、事前準備に加え、ここで抜け落ちやすいのが“質問される側の視点”です。

FDAの審査官は、提出された情報と質問文をもとに回答します。こちらの背景事情や製造業者様の悩み、過去の検討経緯まではわかりません。そのため、質問が曖昧であれば、回答も曖昧になりやすくなります。

申請企業にとって本当に重要なのは、「Q-subを実施すること」ではなく、「Q-subを実施することで何を明らかにするのか」です。

そのためには、まず自社の現状を整理し、FDAがどこに疑問を持つ可能性があるのか、どの論点を確認すべきなのかを見極める必要があります。
何が分かっていて、何が不確実なのか。どのデータは申請に使えそうで、どこにギャップが残っているのか。
FDAにQ-subで確認すべきことと、自社で先に整理すべきことは何か。

この準備ができて初めて、Q-subは有効に機能します。Q-subに頼りすぎるのではなく、Q-subを使いこなす。そのためには、提出前の準備とギャップの把握が何より重要になります。

投資家向け対応や締め切り、社内事情など、早く申請されたいお気持ちは弊社も十分理解出来ます。
ただ、"その質問、その説明で相手に伝わりますか?"という点から見直しを行い、準備に時間を使っていただきたいと考えております。

クアルテックジャパンは、日本の医療機器メーカーのグローバル展開を支援し、アジア、ASEAN、オセアニアから米国FDAまで、薬事規制対応を一貫してサポートしています。